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若き才能が迸る快作だ!リーダーでピアノの豊秀彩華は都内を中心に演奏活動を展開しており、その名を見ることも増えてきたが、本作は豊秀にとって初アルバムとなる!
サックスの江澤茜はジャズの王道に根差したストレートな演奏が爽快で、すでにリーダーアルバム『Thaw(Cadenza)』も持ち、若手や女子を冠するまでもない注目株。
ベースの手島甫は抜群のテンポ感と音程を誇り、絶対的な安定から時にパッションの飛沫が飛び散る。最年少の山崎隼はほぼ独学ながらも絶えず引っ張りだこの天才肌!
冒頭に聴く豊秀オリジナルの「春の波」は、オリエンタルな風情を醸し出しながらも実験的なサウンドが特徴。同じくオリジナルであるタイトルチューンの「それから」は抒情的で豊秀のアーティストとしての才能が凝縮される。
Parkerの演奏で有名な「Donna lee」や「If I should lose you」はジャズのDNAを良質な形で受け継ぎながらも、自らの個性をしっかり主張。「Waltz for Debby」はユニークな背景に驚かされる。「Recorda-Me」は山崎のドラムに注目。唯一のバラードである「For heaven’s sake」は手島のベースをフィーチャー。
ピアニストCedar Waltonの作となる「Holy land」はトリオで挑み、豊秀のハードバッパーぶりを堪能できる。メンバーの親世代の名曲であろう竹内まりやの「駅」はアップテンポに渋めの雰囲気、江澤のソプラノが切ない。
ジャズ100年の伝統と、水を弾くようなフレッシュな感性が同居する、輝かしいにもほどがある一枚!あと、ライナーも熱い。
1.春の波(豊秀彩華)
2.Donna lee(Charlie Parker)
3.駅(竹内まりや)
4.If I should lose you(Ralph Rainger)
5.それから(豊秀彩華)
6.Holy land(Cedar Walton)
7.Waltz for Debby(Bill Evans)
8.Recorda-Me(Joe Henderson)
9.For heaven’s sake(Don Meyer, Elise Bretton, Sherman Edwards)
豊秀彩華 piano, arrangement
江澤茜 alto & soprano sax (except 6)
手島甫 bass
山崎隼 drums
レーベル:QAZZ
企画:石田久二
制作:株式会社フロムミュージック
発売元:まるいひと株式会社